2024年2月5日から7日までの3日間、日本学術振興会研究拠点形成事業「全球嵐解像解析の国際拠点形成」(佐藤正樹課題代表;略称ICCP-GSRA)の活動の一貫として、日米欧の熱帯低気圧と高解像度モデリングの専門家により、熱帯低気圧の気象気候シミュレーション・地球温暖化に伴う気候変化について、最新の研究結果をもとに今後の研究の方向性を議論するための会議を開催した。5日・6日は終日の開催、7日は午前中の開催とした。3日間の開催期間のうち初日の午前中は「New York Office Event, The University of Tokyo, The New York Meeting on Tropical Cyclones and Global Storm-Resolving Analysis」として案内を発出し、登録者向けに5人の講演者によるKeynote speechとしてオンライン配信を行った。またこのイベントの録画はYoutubeによる公開を行う予定である。New York Office への参加登録者は、現地49名、オンライン19名であった。Keynote Speechの講演者、発表タイトルは以下のとおりである。
・Masaki Satoh (AORI, The University of Tokyo): Global storm-resolving modeling approach for better understanding of future changes in tropical cyclones
・Pier Luigi Vidale (National Centre for Atmospheric Science, Dept. of Meteorology, University of Reading): Cyclones of Tropical Origin in a resolution hierarchy of atmosphere-only and coupled GCMs
・Adam Sobel (Columbia University): Uncertainties in tropical cyclone risk
・Suzana Camargo (Lamont-Doherty Earth Observatory, Columbia University): ENSO diversity impacts on Tropical Cyclone Activity CMIP6 projections
・Kevin Reed (Stony Brook): A storyline framework in CESM for quantifying climate change impacts on hurricanes
研究会では、特に以下のトピックの課題の研究発表および討論を行った。
・熱帯低気圧の将来変化
・全球嵐解像解析モデルの比較実験
・熱帯低気圧のリスクマネージメント
研究発表は20分の発表時間、10分の質疑応答として、1日目12件(Keynote speechを含む)、2日目11件の口頭発表を行った(そのうちオンライン講演3件を含む)。3日目は下記の課題について、佐藤正樹、Pier Luigi Vidale、Suzana Camargo、Adam Sobel が話題提供および議論をリード行い、今後の研究の課題をまとめた。
The University of Tokyo New York Office は立地、ファシリティともNew York 在中の参加者からも好評であり、東京大学と現地において交流を図ることができることを歓迎する声が多かった。今後もこのようなイベントの機会があれば、ぜひ協力・参加したいとの意見を頂くことができた。
当日の様子は下記の動画にてご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=c1hByBc5Qds