医科学研究所(医科研)主催による“IMSUT NY Seminar 2026”が、2026年3 月 6日(金)、” The Next Medical Revolution ~Building the Future of Medicine~”のテーマのもと、ニューヨークのUTokyoNYにて開催され、平日にも関わらず在米の大学・研究機関、様々な分野の企業・団体等より、22名の方にご参加いただきました。
本イベントは、2023年より開始した”IMSUT NY Seminar”シリーズの第4弾として、完全オンサイトにより行われました。
セミナーは、岩間厚志所長による、医科研の紹介を含めた開会の辞で始まりました。まず先進動物ゲノム研究分野の真下知士教授/副所長から、CRISPR-Cas3を中心としたゲノム編集技術の発展と、その医療応用を通じて遺伝子から治療へとつなぐ研究の可能性についての講演があり、次に細胞制御分野の山﨑聡教授から、造血幹細胞研究の進展として、培養・増幅技術や機能評価を基盤とした次世代治療への展開が紹介されました。コーヒーブレイクを挟んだ後半のセッションでは、まずマウント・サイナイ・アイカーン医科大学のSaghi Ghaffari教授により、造血幹細胞の老化において、リソソーム機能に着目し、その制御による幹細胞機能の回復と治療応用の可能性についての講演がありました。次に、ニューヨーク大学の伊藤真由美教授より、指先再生における爪上皮の役割に着目し、幹細胞やシグナル経路を介した再生機構と組織間相互作用についてご講演いただきました。続いて老化細胞生物学分野の西村栄美教授より、毛の寿命延長に向けた幹細胞戦略として、幹細胞の維持機構や老化制御とその応用可能性が紹介されました。さらに、コロンビア大学のAngela Christiano教授からは、円形脱毛症研究の進展として、発症機構の解明からJAK阻害薬による治療法確立に至るまでの道のりが紹介されました。最後に、医科研出身でもあり、現在はマサチューセッツ工科大学の相田知海博士より、遺伝子改変サルモデルを基盤とした研究として、神経疾患の再現と治療法開発や発症前バイオマーカー探索による臨床応用について講演が行われました。
いずれの講演も参加者にとって興味深い内容であり、質疑応答時間が不足するほど、活発なディスカッションが交わされました。最後に真下教授からの閉会の辞をもって、セミナーは盛会のうちに終了しました。
セミナー終了後に開催したPost-seminar discussionでは、演者間や演者と聴衆の間で、さらに活発な意見交換が行われ、将来的な研究交流も期待できる、今後につながるセミナーとなりました。
参加された聴衆の方からも、非常に有意義なセミナーに参加することができた、とご好評をいただき、「今後も継続してほしい」とのご意見を多数いただきました。

<前列左より:相田博士、Ghaffari教授、伊藤教授、西村教授、
後列左より:岡本康夫UTokyoNY’理事長、真下副所長、岩間所長、山﨑教授>

<山﨑教授による講演風景>
